自分の名前に手をかざした。
「幸せ」と言っていた。
常に安全を脅かされて生きてきたわたしは
温かい誰にも追い出されない家と
親切な人たちに囲まれた職場に恵まれた。
食事を母の気分次第で与えられなかったけど
今は食べたいといえばわたしが自分を養う。
もはや親の悪口を言うなんてという風潮ではなくなり、
みな周囲は味方についてくれた。
親は体罰を勧めた覚えはないと宗教本部にまで切り捨てられて立つ瀬がない。
しかし父母には世間に非難されることは試練、
それに耐えて信じ続けることは喜びであり
真に本部を疑うことも悔いることもない。
だからもう見限った。
歌が振り向いてくれた。
わたしに生きる喜びと、
進展していけるという望みをくれた。
幸せだ。